ギャラリー・パトリック・レイガードでのインタビュー

写真、光、そして日本をめぐる対話

2026年5月、マルセイユのギャラリー・パトリック・レイガードでは、二つの写真作品群、二つの空間、そして最終的には互いに呼応する二つのアプローチによって構成された展覧会が開催されました。

1階では、2023年に制作した写真による物語 「ラッセラー、ラッセラー!」 — Rassera, Rassera! を展示しました。一方、地下の展示空間では、光そのもの、その動き、そして光が私たちの現実の捉え方にもたらす変化に焦点を当てた作品群を回顧的に紹介しました。それは、版画や書のようでもあります。

この展覧会に際し、ギャラリー・パトリック・レイガードのアーティスティック・ディレクターであるナタリー・プティジャン・オゾグ氏から、私の写真表現についてインタビューのお声がけをいただきました。

この対話は、あえて展示作品そのものの話だけにとどまるものではありません。写真を単に世界を表象するための道具としてではなく、世界を別の視点から捉えるための媒体として考えながら、私自身の写真との深い関わりについて語る機会となりました。

私がイメージにおいて興味を持っているのは、目に見えるものをそのまま再現することではなく、そこにある、より内面的な次元を浮かび上がらせることです。フレーミング、動き、光、そして抽象化によって、写真はひとつのグラフィックな「書く行為」へと変わっていきます。私が望んでいるのは、写真が言葉では表しきれない感覚を翻訳することです。エネルギー、振動、感覚、感情、あるいはひとつの息吹のようなものです。もっと単純に言えば、目に見えるものの表層の奥を流れている何かです。それが、イメージを別の時間性の中へと刻み込んでいくのです。

インタビューではまた、私の合気道の実践や、日本との長年の関わりについても触れています。これらの異なる領域の間に、体系的あるいは理論的な関係を求めようとしているわけではありません。しかし、そこには自然といくつかの共通する感覚が現れてきます。動きとの関係、物事との距離、深く中心に置かれた時間性、エネルギー、空(くう)、力や空間の循環、そして目に見えないものへ向けられる注意です。

このインタビューは、こうしたつながりに言葉を与え、時に私のイメージの構築の背後にあるものについて語る、貴重な機会となりました。

2026年5月、マルセイユのギャラリー・パトリック・レイガードで開催された展覧会に際して行われた、ナタリー・プティジャン・オゾグ氏とのこの対話を、ぜひご覧ください。

ラッセラー、ラッセラー!マルセイユ個展

ラッセラー、ラッセラー!東京ねぶた2023 写真記録

ラッセラー、ラッセラー!

ソロ展

2026年5月7日〜5月17日

このたび、マルセイユのギャラリー・パトリック・レイガードにて開催される個展に、心よりご案内申し上げます。
オープニング(ヴェルニサージュ)は5月7日(木)18時30分より行われます。

2023年10月に東京で制作された写真記録「ラッセラー、ラッセラー!」を、このたび初公開いたします。

ギャラリーの地下スペースでは、「光の表現」をテーマとした作品に加え、写真インスタレーションおよびPuzzle Persosによるサウンドデザインも展示され、没入型の体験をお楽しみいただけます。


本展では、大型ポートフォリオ作品を含む約80点の写真を発表し、写真家としての歩みにおける重要な節目となる機会となります。

ギャラリー・パトリック・レイガードド
8 rue Fontange, Marseille 6°

🚃 Métro Notre-Dame-du-Mont
🪐 Instagram
🧭 Google Maps 

ラッセラー、ラッセラー!

色鮮やかな巨大な山車とともに、太鼓の響きに合わせて進む跳人たちが、一斉に「ラッセラー、ラッセラー!」と繰り返し叫ぶその声は、躍動を支え、身体をひとつにし、声を高く響かせていきます。 

それは、ねぶた祭そのものの息づかいに属し、夜の中で光の像が動くのに合わせて、歓声が寄り添う祭りです。 

津軽弁に由来し、「出せ、出せ」という意味を持つとされています。ねぶたの曳き手たちに対して、ろうそくや酒、その他の供物を求める掛け声です。

その歌とリズムには、古い呼びかけの名残が今も息づいています。それは、ねぶた祭の熱気に身を委ね、踊り手と観客が一体となり、祭りの歓喜に加わるための誘いです。

他の説も考えられますが、時とともにその字義的な意味は薄れ、今ではただ集団の鼓動だけが残っていると考えられています。

これらの写真の中で、そのリズムはイメージへと変化しています。形は広がり、分断され、動きと光の流れの中で再構成されていきます。  

本展のタイトルは日本語で記されており、フランス語の本文の中においても、そのまま用いられています。それは、この展覧会において、祭りの遠い残響のように、ある種の謎を保つためです。 

それは、口頭の表現を翻訳することそのものではなく、そこから立ち上がる響きや振動を感じ取ることに重きがあります。

「ラッセラー、ラッセラー」は、このように共有されるエネルギーを想起させ、動きを支える反復であり、声を通して受け継がれる生きた記憶の存在を示しています。単なる掛け声はやがて拍となり、伝統は繊細で歓びに満ちた振付へと変容していきます。

本写真記録について

これらのイメージは、2023年10月に東京・中野で行われたねぶた祭の中心で生まれています。

青森ねぶた祭は、東北地方を代表する重要な祭りであり、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。  
2011年の東日本大震災により甚大な被害を受けた東北地方への支援の一環として、中野区は2012年より独自の祭りを開催しています。「中野東北応援まつり」として知られるこの催しでは、毎年10月にねぶた祭が巡行します